女性の多くが、秋から冬にかけて乾燥肌に悩んでいるといわれます。
乾燥肌は肌の健康が損なわれている状態ですので、他の肌トラブルを招くこともあるため要注意です。
しかし、この乾燥肌はなぜ起きてしまうのでしょうか?私は毎年、秋から冬にかけて足のスネが粉ふき肌になってしまうため、乾燥肌とはどういうメカニズムなのか気になり調べてみました。
乾燥肌の基礎知識をおさえて、健康な肌を作るヒントにしてくださいね。
乾燥肌とはどんな状態?
乾燥肌とは、皮脂と水分が減少することで、外部の刺激から肌を保護するためのバリア機能が弱くなっている状態の肌です。
肌は皮脂と汗が混ざった皮脂膜、天然保湿因子(NMF)、細胞間脂質(セラミドなど)の3つの要素が組み合わさって水分が保たれ、潤い、柔軟性、弾力性のある健康な肌がキープできます。
ところが、皮脂膜、天然保湿因子、細胞間脂質が不足すると、バリア機能が低下してしまうため、衣類のこすれや髪の毛などの摩擦に対して肌がかゆみを引き起こしたり、細菌やアレルゲンに反応して皮膚炎を起こしたりしてしまうのです。
水分不足は角質が硬くなることで毛穴をふさぎ、ニキビの原因にもなることもあります。
乾燥肌になってしまう原因とは?
肌の水分は、皮脂(2%)、天然保湿因子(18%)、角質細胞間脂質(80%)の割合で保たれています。
これらが流出する原因として、次の3つが考えられます。
①皮脂の減少
皮脂は皮脂膜となって、肌の表面を覆う角質が剥がれるのを防ぎ、肌の水分が失われることを防止する役割があるため、減少すると乾燥肌を起こしやすくなります。
特に体の中でも目の周辺、口まわり、足の部分は皮脂腺の数が少ないので、乾燥が目立ちやすい部分です。
皮脂の量は男性ホルモンが影響する
皮脂の量は、環境や体質によって変化しますが、皮脂の分泌には男性ホルモンが大きく関わっています。
そのため、もともと男性に比べて女性は皮脂量が少なく、20代でピークを迎えると(男性は30代)年齢を重ねるごとに減少し、さらに血行不良などが原因で代謝が低下すると皮脂量が不足しやすくなります。
②天然保湿因子(NMF)の量が低下
肌の表面に近い角質細胞に存在する天然保湿因子は、アミノ酸、尿素、クエン酸塩、乳酸などの成分で構成されています。
この天然保湿因子は、角質細胞の水分量を保持するために欠かせない成分です。
ところが、加齢、睡眠不足、ストレス、紫外線などの影響で肌のターンオーバーが正常に行われなくなると、天然保湿因子の量は低下してしまいます。
③角質細胞間脂質の減少
角質細胞間脂質は、角質細胞の間に存在して、細胞同士をつなげ合う約割をもっています。そのため、角質細胞間脂質が減少すると、水分が保てなくなりバリア機能の低下も招いてしまうのです。
角質細胞間脂質はターンオーバーの過程で作られるため、ターンオーバーが乱れると量は減ってしまいます。
また、角質細胞脂質の約50%の成分はセラミドですが、アトピー性皮膚炎の方はセラミドの量が通常の3分の1ほどしかないため、外部からアレルゲンが侵入しやすいといわれています。
乾燥肌を防ぐ予防対策とは?
冬に乾燥肌がひどくなるのは、1年の中でもっとも空気が乾燥しやすいからです。
しかしエアコンを使うことで湿度が低下した環境では、季節にかかわらず乾燥肌を起こすリスクが高まります。
また乾燥肌は加齢や気候だけでなく、誤ったスキンケア、ターンオーバーの乱れなどで慢性化することもあるため、次のポイントに注意してください。
- スキンケアでは、肌に強い刺激を加える洗顔や毛穴パックなどで角質層を傷つけない
- 洗浄力の強い洗顔料を使ったり、熱いお湯で洗顔したりしない
- スキンケアはマイルドな商品を選び、肌をこすらないように注意する
- ターンオーバーを整える生活習慣を送る
ただし、これらのスキンケアと生活習慣の見直しをしても乾燥肌が改善しない場合は、早めに皮膚科を受診して医師に相談することをおすすめします。
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