まだ寒い早春に、いち早く開花するクロッカスは春の訪れを教えてくれる花の一つです。草丈が低く小さいながらも、丸みのあるキュートな花型は、古くから人々に愛されてきました。小さな花が群生で咲く姿は、とても美しいですよね。
クロッカスは、寒咲き種(早咲き、冬咲きともいいます)、春咲き、秋咲きの3系統に分かれていて、料理に使われるサフランは、秋咲き種の一つになります。
ここでは、クロッカスの育て方をご紹介しています。
クロッカスの基礎知識
【科名・属名】アヤメ科・サフラン属
【園芸分類】秋植え球根
【花期】2~4月、(*秋咲き種は10~11月です)
【別名】ハナサフラン
【原産地】地中海沿岸~中央アジア
【用途】庭植え・鉢植え・水栽培
性質と特徴
性質はとても丈夫で育てやすく、耐暑性・耐寒性ともに強いので冬の防寒も必要ありません。
クロッカスは80種類もの原種に加えて、園芸品種が多く育成されているため、花の種類は豊富です。観賞用の代表には、黄色い花を咲かせる早咲きの「ラージ・イエロー」「イエロー・マンモス」、紫や白い花が咲くベルナス種の「ジャンヌ・ダルク」などがよく知られています。
栽培場所
日当たりがよく、水はけの良い場所を好みます。葉が育っている間、日当たりが悪い環境にあると、球根が十分に育たず2年目以降の花つきが悪くなるため注意してください。
水やり
土の表面が乾いたら水をあたえます。まだ芽が出ていない、冬の間も土が乾燥しないように注意してください。
肥料
植えつけのとき、元肥として緩効性化成肥料を施します。その後は、開花後~5月までの期間に月に1回、緩効性肥料を置き肥としてあたえるか、10日に1回、液体肥料をあたえましょう。
植えつけ時期
球根の植えつけは、10~11月に5cmほどの株間をあけて、深さ5cmほどの位置に植えつけます。鉢植えでは、観賞用に間隔をあけず浅植えをすることもできますが、球根の成長は悪くなります。
増やし方
クロッカスは自然分球で増やすことができます。ただし、日当たりが悪い、肥料が不十分、浅植えなどの環境で育つと、球根が太らず小さな球根になることもあります。
春咲き種のクロッカスは、早春に花を咲かせると、6月ごろに枯れて休眠した状態で夏をこします。生育環境を整えてあげれば、毎年新たな球根が育ち、数年間は植えっぱなしで毎年花が咲きますが、3~4年に1度は球根を堀り上げて分球をした方がいいといわれています。
堀り上げは葉が枯れた6月ごろに行い、秋まで乾燥貯蔵しておくとよいでしょう。
病害虫
ほとんど見かけませんが、ネズミや野鳥による食害にあうことがあります。
栽培のポイント
クロッカスは病気の心配は少ないものの、水はけが悪い環境では球根が腐ることもあるので注意してください。クロッカスは球根を植えてから、特別な作業はありませんが、種が実る品種はそのままにしておくと球根の発育が悪くなるため、早めに花がらを取り除いた方がいいです。(ラージ・イエローやサフランなど種ができない種類もあります)
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