目の覚めるような色とモダンな花型が魅力的なアネモネは、ガーデニングと切り花のどちらも人気が高い花です。カラーバリエーションも多く、色をミックスさせると庭が華やかになること間違いなしですよね。
アネモネは北半球に多く分布しており、日本で一般的にアネモネとして出回っているものは地中海沿岸部原産の種を品種改良したものです。日本には明治初期に伝わり、春の花として親しまれてきました。
ここでは、アネモネの栽培方法についてご紹介していきます。
アネモネの基礎知識
【科名・属名】キンポウゲ科・アネモネ属
【園芸分類】秋植え球根
【花期】2~5月
【別名】ボタンイチゲ
【原産地】地中海沿岸
【用途】庭植え・鉢植え
性質と特徴
アネモネは、耐寒性が比較的強い性質のため、暖地では露地での冬越しも可能ですが、寒地では防寒が必要です。
アネモネには100種類もの仲間が存在しており、その中で園芸的にアネモネと呼ばれるのは、交雑して誕生した「アネモネ・コロナリア」をさすことが一般的です。
栽培場所
日当たりと風通しの良い場所を好みます。アネモネは酸性土を嫌うため、庭植えの場合は植えつけ前に苦土石灰を施して中和しておきます。
鉢植えの場合は、初夏を迎えて花が終わり地上部が枯れるまでは、日当たりと風通しの良い戸外に置きます。その後、地上部が枯れてきたら水やりを止めて、秋までは雨のかからない日陰で乾燥した状態にして管理します。
水やり
土が乾いたら水をあたえます。ただし、鉢植えの場合は植えつけの際に土を湿らせているため、植えつけ後4~5日経過してから水やりを開始します。
花が終わって地上部が枯れたら水やりは止めて、秋まで完全に土を乾燥させ、10月になったら再び水やりを始めます。
肥料
庭植えでは植えつけの際、元肥として緩効性化成肥料を施します。鉢植えには、10月~3月まで2週間に1回、薄めの液体肥料を施しましょう。
鉢植えのアネモネは、肥料が少ないと花付きが悪くなるため、注意してください。
植えつけ時期
10~11月に球根を植えつけます。ただし、まだ気温の高い10月に土の中で急激に水を吸うと球根が腐ることもあるため、湿らせた清潔な砂やバーミキュライトなどに球根を埋めて、冷蔵庫に1週間ほど寝かせてから植えつけるとよいとされます。
なお、11月になって植えつける場合は、球根を湿らす処理は必要ありません。
アネモネの球根は三角錐形をしていますが、花芽は平らな面から出るので、尖ったほうが下になるよう上下の向きを間違えないことに注意してください。向きが分かりにくい球根は、横向きに植えるとよいでしょう。
植えつけの位置は、庭植えの場合20~25cmほど株間をあけて、球根に3~4cmほど土を覆います。鉢植えは、事前に軽く湿らせた土に球根を植え付け、1cmほど土で覆います。
増やし方
6~8月に掘り上げた球根を分球することができます。晴れた日を選んで、葉が黄色くなった球根を掘り上げ、分球をしたら風通しの良い日陰につるして、秋まで乾燥した状態で管理します。
ただし、「モナ・リザ」など、種類によっては分球しにくいタイプもあるので、無理に分けないよう注意してください。また、アネモネは9~10月に種をまいて増やすこともできます。
病害虫
アブラムシ、ハモグリバエ、うどんこ病、灰色かび病、立枯病などが発生することもあります。
栽培のポイント
咲き終わった花は、早めに茎ごと摘み取るようにすると、病気を防ぐうえに株に栄養が回り、次々と花を咲かせることができます。また、栽培場所でも触れましたが、アネモネは酸性土を嫌うため、庭植えの場合は事前に苦土石灰などを混ぜて、酸度調整をするようにしましょう。