優しい色合いの花と丸い蕾がかわいいシュウメイギク(秋名菊)は、秋の代表的な花の一つとしてガーデンに欠かせない花ですよね。
日本では、生け花や茶花に使われる花材としても人気があります。品種によっては綿毛に包まれた種を作るものもあり、花後の姿も楽しめる植物です。
こちらでは秋名菊の育て方をご紹介しています。
基礎知識
【科名・属名】キンポウゲ科・イチリンソウ属
【園芸分類】耐寒性宿根草
【花期】9~11月
【別名】キブネギク
【原産地】東アジア
【用途】庭植え・鉢植え
特徴
シュウメイギク(秋名菊)は京都の貴船山に群生することから、別名をキブネギク(貴船菊)とも呼ばれています。
ただ園芸店にはシュウメイギクと台湾シュウメイギクを交配させたものなど、園芸品種が多く出まわっており、矮性種や高性種、一重咲きや八重咲きと種類が豊富で、これらを総称してシュウメイギクと呼ばれることが一般的です。
性質は耐寒性が強くて育てやすいことが特徴です。
栽培場所
日当たりのよい場所、または半日陰を好みます。耐寒性が強く日陰でも育ちますが、日当たりが悪いと花つきは少なくなります。
根は高温と乾燥が苦手なため、夏に強い西日があたる場所や、直射日光が長時間あたる場所は避けましょう。
水やり
土の表面が乾いたらあたえます。ただ水のあたえ過ぎは根腐れをおこすため注意してください。
夏に水切れをおこして乾燥させると、花つきが悪くなることもありますので、土の乾き具合をみて管理しましょう。
植えつけ・植え替え
庭植えの場合は、2~3月に30~40㎝の株間をあけて植えつけます。
鉢植えの場合は、1~2年に1回、10月か2月に株分けをかねて一回り大きな鉢に植え替えます。
植えつけ・植え替えの際は、夏の高温と乾燥を防ぐために、株元にマルチングをしておくとよいでしょう。
肥料
庭植えの場合は、植え付け時に堆肥か腐葉土など、有機質配合の肥料を十分すき込んでおきます。その後は花が咲き終わったら少量の緩効性置き肥をあたえます。
鉢植えの場合は、3~5月と10~11月に育成の状態をみて月に1~3回ほど液肥、または月に1回置き肥をあたえます。
肥料のあたえ過ぎは根を傷めるため注意してください。
増やし方
種まき、株分け、根伏せ、で増やすことができます。
(株分け・根伏せ)
10月か2月に株分けで増やすことができます。株分けのタイミングは、鉢植えの場合は1~2年、庭植えの場合は3~4年に1回を目安におこないましょう。
根伏せは根を5cmほどにカットしたものを、鉢や育苗箱の土中に埋めて発芽・発根を促します。
(種まき)
花後に種が採れる品種の場合(種がつかない品種もあります)は、綿毛に包まれた種が飛んでいかないように袋をかぶせておいて採取し、種をまくことができます。
病害虫
アブラムシ、シンクイムシ、うどんこ病、白絹病などが発生することもあります。
栽培のポイント
シュウメイギクは全国で栽培が可能な植物ですが、高温と乾燥が苦手なため夏はやや冷涼な環境の方が株は育ちやすいです。
庭植えの場合はこのポイントをおさえて場所を選び、植えつけの際には腐葉土を混ぜて水はけをよくしておくと、根が張ってからはほとんど手がかかりません。
鉢植えで栽培する場合は、春は日当たりのよい場所、夏は日陰に移動して管理することがポイントです。
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