四季のある日本には、季節の節目に応じたいくつもの行事があります。そして、冬には二十四節気の一つの「冬至」があり、かぼちゃを食べ、ゆず湯に浸かる風習がよく知られていますよね。
ここでは、冬至とはどういった日なのか、冬至の意味と冬至ならではの習慣についてまとめてみました。
ゆず湯の楽しみ方もご紹介していますので、あわせてご覧くださいませ。
冬至とはいったいいつ?
冬至(とうじ)とは、12月21日ごろをいいます。なぜ、はっきりした日が決められていないかというと、冬至は北半球において1年の中でもっとも太陽の日が低くなり日照時間が短くなる日をさすため、毎年変動するからです。
2024年(令和6年)の冬至は12月21日になります。
逆に太陽の位置がもっとも高くなるのは、6月21日ごろの夏至(げし)です。夏至と冬至の日照時間を比較してみると、北海道では約6時間、関東では約5時間も太陽が出ている時間に差があるようです。
1年でもっとも日照時間が長い夏至をピークに、じょじょに日照時間が短くなり、夜が1番長い冬至ですが、この日を境に陰の気から陽の気に切り替わるとされ、冬至を境に再び良い運気が巡ってくる「一陽来福(いちようらいふく)」ともいわれています。
冬至には「ん」のつくものを食べると運気が上昇?
冬至には「かぼちゃ」を食べると縁起がいいと聞きますよね?これは、冬至に「ん」のつく物を食べると「運盛り」といって縁起がいいという意味と、体調を崩しやすい冬に栄養をつけて乗りきるための意味から来ています。
かぼちゃは別名を南京(なんきん)ということから「ん」がつく縁起であり、さらに、かぼちゃの旬は夏ですが長期保存が効くうえに、ビタミンAやカロテンが豊富で冬の栄養源として最適な野菜ということもあって、冬至に食べる食材として広がりました。
他にも、「ん」のつく食材には、れんこん、にんじん、だいこん、ぎんなん、いんげん、うどん、なども運盛りにいいといわれています。
冬至にはなぜゆず湯?
かぼちゃと並んで、冬至というと「ゆず湯」を思い浮かべる人も多いことでしょう。
「冬至にゆず湯に入ると風邪をひかない」という意味から、日本では冬至にゆず湯に浸かる習慣がありますが、これはなぜなのでしょうか。
ゆず湯が始まった由来はいくつかあるようですが、一説には「運気を呼び込む前に香りの強いゆずで身を清める」という意味があるようです。
さらに、ゆずの木は病気になりにくく寿命が長いことにならって、ゆず湯に浸かることで無病息災を祈る習慣が広まったという説や、冬至(=湯治)、ゆず(=融通がきく)という語呂合わせの説もあるといわれています。
また、ゆずの果皮にはクエン酸やビタミンCが含まれるので、実際にゆず湯に入ると美肌効果が期待できるうえに、体を温めて冷え性の緩和や風邪の予防に役立つとされ、単に縁起がいいというだけではないようですね。
ゆず湯の方法と注意点
ゆず湯の方法は、地域や各家庭によってさまざまで、特に決まりはありません。
ただ、人によってはゆず湯に浸かると肌がピリピリと感じるケースがあるようですので、ポイントをご紹介します。
丸ごとゆずをお湯に浮かべる場合
丸ごとゆずをお湯に浮かべるときは、1、2個ではゆずの香りが少ないため、たくさん浮かべたほうが望ましいです。
ゆずをたくさん用意することが大変な場合は、ゆずの皮に少し切り込みを入れる方法や削る方法もありますが、そうするとリモネンの影響で肌がピリピリすることがあるので、肌が弱い人はほどほどにした方がよいようです。
ゆずをカットしてお湯に浮かべる場合
たくさんのゆずが手に入らないときは、ゆずを2分の1にカットして、お湯に浮かべる方法もあります。
しかし、この方法は果皮に切り込みを入れる方法と同様に、肌に直接リモネンが触れるため、ピリピリと感じる人が多いようです。
さらに、カットした部分から果肉が崩れてくると、後の掃除が大変になることも。そこで、カットしたゆずをそのままお湯に浮かべず、洗濯ネットなどに入れたり、ガーゼなどで包んだりして、果肉がこぼれない工夫をしておくとよいでしょう。
★肌への刺激を軽減するポイント★
肌のピリピリを防ぐ方法として、肌の弱い人は事前に熱湯でゆずの果実を20~30分蒸らしておくと、リモネンによる刺激が軽減するといわれています。
まとめ
冬至のころは、寒さが厳しいうえに、日照時間の短さから体の不調も起こりやすい時期ですが、かぼちゃでしっかり栄養をとり、ゆず湯で体も温めて元気に冬を乗り越えたいですね。
先人たちの知恵を引き継ぎ、季節の節目を楽しみながら春を待ちましょう。
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