大豆に含まれる大豆イソフラボンは、さまざまな健康効果がある成分として知られていますよね。
女性の美容と健康にとって、ホルモンバランスの安定はとても重要ですが、大豆イソフラボンには加齢で減少する女性ホルモンの働きを助けてくれる効果があります。
そこで今回は、女性特有の体の悩みを助ける大豆イソフラボンの基礎知識と、正しい摂取方法についてご紹介します。
大豆という身近な食材の魅力を再発見して、健康的な体作りに活かしましょう。
大豆イソフラボンとは?
大豆イソフラボンとは、大豆が成長して芽を出す胚芽(はいが)の部分だけに存在する成分のことです。
大豆イソフラボンは、抗酸化作用のあるポリフェノールの一種であり、細胞を老化させる活性酸素を除去する効果があることで、健康と美容に役立つ作用が知られています。
さらに、大豆イソフラボンには女性ホルモンをサポートする効果があることで、女性の体にうれしい成分として注目されています。
女性ホルモンを助ける大豆イソフラボンの作用
大豆イソフラボンは、化学構造が女性ホルモンのエストロゲン(卵胞ホルモン)に似ていることから、植物性エストロゲンとも呼ばれています。
そして、食事やサプリメントなどで大豆イソフラボンを摂取すると、体内でエストロゲンと似た働きをすることがわかっています。
エストロゲンとは、生理の終わりに分泌量を増やして、妊娠に備えた体を作る役割があるホルモンです。
他にも、皮膚、髪の毛、骨などの健康を守り、自律神経や脳などの働きに大きく影響をあたえているため、エストロゲンが不足すると、さまざまな体と心の不調を招いてしまいます。
大豆イソフラボンが含まれる食材
大豆イソフラボンが含まれる食材は、大豆、納豆、豆腐、ゆば、きな粉、おから、豆乳 などがあります。
大豆は大豆イソフラボンの他にも、タンパク質が豊富に含まれる食材としても知られており、脂質、ビタミン、ミネラル、カルシウム、炭水化物などの栄養素も摂れることから、優秀な健康食材といえます。
大豆イソフラボンに期待できること
エストロゲンの量は、脳で管理されながら卵巣で作られています。
しかし、30代になると減少しはじめ、40代では卵巣の機能低下とともに一気に減少し、閉経を迎える更年期は激減することが特徴です。
そこで、大豆イソフラボンを摂取することでエストロゲンの作用を補うことができれば、次のような症状の緩和が期待できるといわれます。
- 更年期症状
- FAGA(女性男性型脱毛症)
- 骨粗しょう症
- 血行不良
- 高脂血症
- 体脂肪
- シワやたるみなど、肌の悩み
大豆イソフラボンは更年期症状の緩和に役立つ成分
大豆イソフラボンは、摂取する人の年齢によって作用や効果の違いはありますが、特に「ほてり」をはじめとする、更年期症状の緩和に役立つといわれています。
また、抗酸化作用や血中のコレステロール値を下げる効果から、病気や生活習慣病の予防と改善も期待できる成分といえるでしょう。
大豆イソフラボンから誕生するエクオールに注目
大豆イソフラボンが体内にとり込まれて腸まで届き、腸内細菌によって代謝されるとエクオールという成分に変化します。
このエクオールは、強力なエストロゲン作用がある注目の成分です。
しかし、体にとり込んだ大豆イソフラボンからエクオールが誕生するには個人差があり、大豆製品を多く食べる日本人でもエクオールを作る生産能力がある人は、約50%しかいないといわれています。
大豆製品を食べたり、サプリメントで大豆イソフラボンを摂取したりしても、効果を実感できない人はエクオールを生産する力が弱い可能性が考えられます。
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大豆イソフラボンの1日の摂取量
ご紹介してきたように、大豆に含まれる大豆イソフラボンは、女性の体と心の悩みを助けてくれる栄養素です。
そこで、健康と美容のために毎日たくさん摂取したいと考える人もいると思いますが、大豆イソフラボンを過剰に摂取してしまうと、女性ホルモンのバランスを崩す可能性があるため、1日の摂取量に上限が設けられています。
大豆イソフラボンの1日の上限摂取量は、70~75mgです。食事とサプリメントを組み合わせて摂取する場合は、70~75mgのうちサプリメントは30mgまでが上限とされます。
参考サイト:https://www.fujicco.co.jp/corp/rd/isoflavone/topics/09.html
食事で大豆イソフラボンを摂取する場合の目安は、以下になります。
- 納豆45gなら2パックで=約71mg
- お豆腐一丁(約300g)=約80mg
- 豆乳1パック200g=2パックで約82mg
- きな粉(大さじ1杯6g)=大さじ8杯で約77mg
サプリメントは手軽に飲めるぶん過剰摂取になりやすいので、必ず商品の注意事項を守って飲むようにしましょう。
大豆イソフラボンを摂取するときの注意点
大豆イソフラボンは一日の上限量70~75mg(サプリの場合は30mg)を守って安全に摂取することが重要です。
ただし、妊娠中、授乳中の方や、乳幼児、小児などは、子どもの発育に影響をあたえる可能性があるため、通常の食生活に上乗せして大豆イソフラボンを多く摂取することは推奨されていません。
大豆アレルギーがある人は、たとえサプリメントであってもアレルギー反応が起こるリスクがあるため避けるようにしてください。
まとめ
私たち日本人は、昔から大豆食品を多く食べてきた歴史がありますが、現在は食文化の多様化から、若い年代を中心に豆類の消費が減少傾向にあるといわれています。
大豆イソフラボンには、女性特有の悩みや生活習慣病など、健康と美容に役立つ作用がある成分ですので意識して摂取したいですね。また、健康維持には大豆イソフラボンを継続してとることがポイントですので、必要に応じてサプリメントと組み合わせながら続けることをおすすめします。
記事の内容は執筆当時のものになります。また、記事の内容には個人差があるためご了承くださいませ。 |