便秘にお悩みの方で、普段から便意を感じてもトイレを我慢することが多いという人はいませんか?
それは、もしかしたら直腸性便秘かもしれません。
一般的に3日以上便が出ない場合や、排便があったとしても残便感でお腹にまだ残っていると感じられる状態を便秘といいますが、便秘にはいくつかの種類があり日ごろの習慣が便秘には大きく影響しているのです。
ここでは、生活習慣が関係する機能性便秘の一つ、直腸性便秘のメカニズムと解消法についてまとめてみました。
直腸性便秘のメカニズムと症状とは?
直腸性便秘とは、肛門の手前にある直腸まで便が運ばれているにもかかわらず、肛門付近になんらかの問題があることで、便が押し出せず起きてしまう便秘のことです。
大腸には便の水分を吸収する作用があり、腸に滞在する間に便は硬さを増していくため、肛門の手前に硬い便がたまっている状態の直腸性便秘は、トイレでいきんでもなかなか便が出にくいことが特徴です。
そして、直腸性便秘の特徴的な症状として、次のような自覚症状が現れます。
- 便意を感じにくい
- 上手くいきめない
- 排便に時間がかかる
- 排便をするとき違和感がある
- 便が非常に硬い
- 便秘薬を飲むと下痢をする

便秘の中で、もっとも多いタイプは腸の蠕動(ぜんどう)運動が弱くなっている弛緩(しかん)性便秘ですので、市販の便秘薬は腸に刺激を加えるものが多く販売されています。
でも直腸性便秘は蠕動運動に問題はないため、弛緩性便秘用の便秘薬を直腸性便秘の人が服用すると、下痢を起こすことがあります。
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直腸性便秘が起きてしまう5つの原因
直腸性便秘は次のようなことが原因となり、便が出にくくなってしまいます。
普段から便意を感じてもトイレを我慢することが多い
便意を感じても、職場や学校などでトイレを我慢する習慣がついている人は、直腸性便秘になりやすいです。
便意は直腸に届いた便の刺激が脳に伝わることで起こりますが、便意を我慢することが多いと、しだいに直腸の神経は刺激を感じにくくなり、脳も排便を促す指令を出さなくなるため、便意を感じなくなって便秘を起こしやすくなります。
いきむとき無意識に肛門を締めるクセがある
直腸性便秘は、便意を感じていきんだとき、無意識に肛門を締めてしまうクセがある人もなりやすいです。
スムーズな排便には、下腹部の腹圧を上げながら肛門の筋肉をゆるめる必要がありますが、無意識に肛門を締めてしまうことで、いきむほど便が出にくくなってしまいます。
肛門を締めてしまうクセは、便秘がひどくなり排便で肛門に痛みを感じるようになると、ますます悪化する可能性があります。
老化による体の変化
直腸性便秘は、老化による神経の機能低下で便意そのものが起こりにくく発症することがあり、高齢者や寝たきりの方がなりやすい便秘でもあります。
浣腸を繰り返し使用している
浣腸を繰り返し使うことは、腸の神経と脳の連携による便意を無視することになり、自然な便意が起こらなくなってしまいます。
肛門付近の病気
痔や直腸留など、なんらかの病気が肛門付近にできたことが原因になり、直腸性便秘を発生することもあります。
病気の影響で排便のたびに痛みを感じるため、便意があってもトイレに行くことを我慢するようになり、結果的に直腸性便秘になってしまうというわけです。

病気の症状が直接影響して便が通過できなくなっている場合は、腸や肛門に疾患があることで便秘になる「器質性便秘」に分類され、生活習慣が関係する直腸性便秘とは区別されます。
直腸性便秘を解消する4つの方法
直腸性便秘を解消するポイントは、次の4つになります。
トイレに行きたくなったら我慢しない
直腸性便秘を解消するには、とにかく便意を感じたら我慢せずトイレへ行くことです。
早起きを習慣にして朝の排便時間を作る
家以外の場所ではトイレを我慢してしまうという人は、早起きを心がけて外出前にトイレを済ませるようにしましょう。
特に朝は腸の働きが活発になるので、寝起きに1杯の水を飲み、朝食後は余裕をもってトイレに座る習慣をおすすめします。
排便をするとき、かかとを上げて前かがみの姿勢になる
トイレに座ったときは、かかとを上げて前かがみの姿勢になると、腹筋に力が入りいきみやすくなります。
排便のとき痛みや違和感がある場合は、病院を受診する
肛門付近に痛みや違和感があるときは、なんらかの病気が隠されていることもあるので、がまんせずに病院を受診することをおすすめします。
まとめ
つらい便秘をいますぐ改善する方法として、便秘薬を使う方法もありますが、市販の便秘薬の多くは大腸に刺激をあたえる刺激性下剤が販売されています。
しかし、直腸性便秘は腸に問題はないので、商品を選ぶときは必ず直腸性便秘用であることを確認しましょう。
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また、一時的に便秘薬で改善したとしても、生活習慣を見直して根本的な便秘の解消法を続けることが大切ですので、長年の便秘でお悩みの方や自分の便秘のタイプを正確に知りたい方は、病院を受診して専門医に相談することをおすすめします。


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