ストレスがたまっているとき、便秘を経験したことはありませんか?
日本人にもっとも多い便秘のタイプは、筋力や腸の機能低下による弛緩(しかん)性便秘ですが、ストレスで起こる便秘もあります。
ストレスが原因の便秘は、通勤や通学の途中でお腹が痛くなるなど、日常生活に影響がでることも珍しくありません。
そこで今回は、ストレスが原因の便秘のメカニズムと解消法についてまとめてみました。
ストレスと便秘の関係
ストレスが原因の便秘を、痙攣(けいれん)性便秘といいます。
一見、便秘とストレスは無関係のように思えますが、脳と腸は自律神経を通じてつながっているため、体にストレスがかかることで自律神経の働きが乱れると、腸が正しく機能できなくなり、結果的に便秘を招いてしまうのです。
ストレスが便秘を起こすメカニズム
スムーズな排便をするには、自律神経の副交感神経の作用による、蠕動(ぜんどう)運動が欠かせません。
蠕動運動とは、消化管の収縮運動のことをいい、腸が蠕動運動をすることで便は肛門まで移動ができます。
副交感神経は、体の緊張がほぐれたリラックス状態で働くことができます。しかし、体がストレスを感じていると、自律神経の交感神経が優位に働くため、腸の働きが抑制されて排便トラブルが起きてしまのです。
自律神経の乱れは下痢をおこすことも
交感神経の作用が強まると、大腸が緊張して痙攣がおこった部分で便秘が起こり、反対に腸が活発になり過ぎた場合、十分に便の水分が吸収されず押し出されてしまい下痢になるのです。
便秘にお悩みの方で次のような症状がある人は、ストレスによる便秘の可能性があります。
- ストレスを感じることが多い
- 便秘と下痢を繰り返している
- 下腹部に痛みを感じる
- 硬くてコロコロした便が出る
- 残便感がある
ストレスが原因の便秘は一般的な便秘解消法では改善できない
ストレスによる便秘は、自律神経のバランスが乱れて腸の働きが正しく行えなくなっていることが主な原因です。
そのため、一般的な便秘解消法といわれる、不溶性食物繊維を食べても改善することができません。
また一般的な便秘薬に多い、蠕動運動を促す便秘薬は絶対使わないでください。
不溶性食物繊維による便秘解消法や蠕動運動を促す便秘薬は、蠕動運動が弱くなっている弛緩性便秘に有効とされる方法であり、痙攣性便秘の人にとっては腸に刺激をあたえて逆効果になることもあります。
ストレスが原因の便秘の人が食物繊維を食べるときは、水に溶けやすい水溶性食物繊維を選びましょう。
ストレスによる便秘を解消する方法
ストレスが原因の便秘を解消するには、次のことに注意して自律神経の働きを正常に戻すようにしましょう。
ストレスをためない
ストレスによる便秘は、なんといってもストレスを取り除くことが大切です。
趣味、運動、音楽、アロマテラピー、友人とのおしゃべりなど、自分に合ったリフレッシュ方法をいくつか用意しておき、その時の気分にあった方法でストレスをためないようにしましょう。
規則正しい生活をおくる
自律神経のバランスを整えるためは、規則正しい生活リズムで過ごすこともポイントです。
早寝早起きを心がけ、決まった時間に1日3食を食べて、夜は十分な睡眠をとって体と心の疲れを回復してください。
楽観的に考えてみる
ストレスが原因の排便トラブルは、真面目で神経質な人がなりやすいといわれています。
時には楽観的に「まぁいいか」と受け流し、考え方を変えてストレスを遠ざけることが便通の改善につながるといわれます。
【おすすめの本】ストレスをためない考え方を教えてくれます↓↓
まとめ
ストレスによる痙攣性便秘は、一般的にはストレスが解消されると便秘も改善するといわれます。
ただし、誤って弛緩性便秘に有効とされる便秘解消法や便秘薬を使い、症状が悪化することもあるので注意してください。
また、ストレスが影響する便秘には、慢性的に便秘と下痢を繰り返す「過敏性大腸症候群」が隠されていることもあるため、日常生活に影響がでるような排便トラブルは、早めに医師に相談して適切な治療を受けるようにしてください。
【関連本】
記事の内容は執筆当時のものになります。また、記事の内容には個人差があるためご了承くださいませ。 |