体にいい菌が含まれる食材を食べて、健康な体を作る「菌活」をご存じでしょうか?菌活という言葉は、婚活や妊活などのように、積極的になにかを活動するという意味でつけられたものです。
私たちが普段食べている食材には、体によい作用をもたらしてくれる菌がいくつかあります。ここでは、菌活のメリットや体にいい菌と食材について詳しくご紹介します。食事から始める、健康な体作りのヒントにしてくださいね。
菌活のメリットは腸内環境の改善
菌活とは、体に良い菌を食事で体内にとり込むことをいいます。代表的なものでは、きのこや発酵食品などの菌があり、これらを積極的に食べることで腸内環境を整えるメリットがあるのです。
菌の働きで腸内環境が整い腸内細菌の善玉菌が増えると、次のような効果が期待できます。
- 便秘の改善
- 免疫力アップ
- ダイエット
- 肌荒れの改善
善玉菌が多い腸内環境は、排便がスムーズに行えるため、便秘の改善と予防につながります。また、腸には約6割の免疫細胞が存在していることから、腸内環境の改善は免疫細胞の活性化につながります。
お通じが改善することによるデトックス作用は、ダイエットを助けるうえに、悪玉菌の毒素による肌荒れも改善することから、健康と美容の両方にメリットがあるとして菌活は注目をされているよ。
体にいい6種類の菌と食材のご紹介
菌活で積極的に食べたい食材は、特別なものではありません。スーパーやコンビニなどで手軽に購入できる食材ばかりですので、体にいい菌を意識して料理に使ってみましょう。
体に役立つ菌には、次のような種類があります。
菌類(きのこ)
菌という漢字は、訓読で「きのこ」と読むように、きのこは菌そのものを食べられる食材です。きのこは、腸の働きを助ける食物繊維が豊富なことから、便秘の改善や予防、肌トラブルの予防にも効果が期待できます。
<菌類の食材>
しいたけ、しめじ、マイタケ、エリンギ、ブナピー など
乳酸菌
乳酸菌は、糖を利用して乳酸菌を作りだす菌の総称をいいます。乳酸菌は腸内細菌の善玉菌の一種であり、大腸に届くと腸内の善玉菌の数を増やして、便秘の改善や免疫細胞の活性化などに役立ちます。
<乳酸菌が含まれる食材>
チーズ、ヨーグルト、キムチ、ぬか漬け など
麹(こうじ)菌
麹菌は、穀物類(米、麦、大豆など)に生えたカビの一種の菌です。麹菌には、うま味成分や甘味を作りだす作用があるうえに、消化を助けることで腸内環境を整える働きもあるとされます。
<麹菌が含まれる食材>
しょう油、味噌、甘酒、塩麹 など
納豆菌
納豆菌は、枯草菌という稲の藁(わら)に多く存在する、納豆作りに欠かせない菌のことです。納豆菌には、「ナットウキナーゼ」という血栓を防いで血液をサラサラにする成分が含まれていることから、動脈硬化を防いで生活習慣病を遠ざけてくれます。
さらに、納豆に含まれるビタミンKは、骨を強くして骨粗しょう症の予防にも役立つといわれています。
<納豆菌が含まれる食材>
納豆
酵母菌
酵母菌とは、発酵菌の一種でパンやしょう油などの発酵に使用される微生物のことです。酵母菌には、糖質をカットする作用や免疫力をアップさせる働きがあるうえに、大腸に届くと善玉菌のエサになって腸内環境を整えるため、便秘の予防と改善を助けます。
<酵母菌が含まれる食材>
パン、しょう油、味噌、日本酒、ワイン など
酢酸菌
酢酸菌は、アルコールを酢酸に変える菌の総称です。酢酸は体内にとり込まれてクエン酸に変わることで、疲労による細胞のダメージの回復を助けてくれるといわれています。さらに、酢酸菌には内臓脂肪を減らす作用があるとされ、高血圧、高血糖などの予防もバックアップしてくれます。
<酢酸菌が含まれる食材>
お酢、ナタデココ、カスピ海ヨーグルト など
菌活のポイント
菌活の効果を得るためには、毎日の食事で体にいい菌をとり続けることがポイントです。菌活の効果は、1~2日で現れることはなく、3日もすれば食事でとった菌は排便として体の外へ排出してしまうからです。
また、体にいい菌は数種類を組み合わせて摂取することで、より効果が高まるといわれています。みそ汁の具にきのこ類を使ってみたり、キムチと納豆を合わせたりするなどして、アレンジしてみましょう。
記事の内容は執筆当時のものになります。また、記事の内容には個人差があるためご了承くださいませ。 |